雪女と蟹を食う…。自殺を決意した男が北海道に行く物語

彩女の欲望とは マガジン系
Gino0808「雪女と蟹を食う」1巻66ページ

こんにちは、本日は一話を読んで購入を決意した本のご紹介です。
タイトルは雪女と蟹を食う。
なんじゃそりゃ。

この記事はネタバレを含みますのでご注意ください

スポンサーリンク

雪女と蟹を食うとは

本の詳細

タイトル:雪女と蟹を食う

作者:Gino0808(ぎのぜろはちぜろはち)先生

Twitter:https://twitter.com/0808gino

掲載誌:ヤングマガジン

公式サイトにて一話試し読み可能です

雪女と蟹を食う - Gino0808 / 第1話 死にたい男と雪女 | コミックDAYS
金も行き場もない男・北は、自殺を図るが、どうしてもあと一歩が踏み出せずにいた。ある日、テレビのグルメ番組を観て、「人生最後の日は北海道で蟹を食べたい」と思い立ち、強盗を決意する。高級住宅に押し入り、人妻に金を要求するが、彼女の行動は、全く予期せぬものだった――。

あらすじ

蝉のうるさい夏の日に、自殺を決意した男。
ロープを前に最後の最後で踏み切れず、夜が更けてしまいます。
ふとテレビを見ていると流れていたのは食レポ番組。
北海道の味覚、蟹の特集。
残金4万円でデリヘルを利用するか悩んでいた男は
蟹を食べたことがないということで北海道に蟹を食べに行くこと
決意します。
図書館で北海道いきの情報を調べる主人公は清楚系文学美女に出会います。
そして、恵まれた美貌や環境にあるであろう彼女の幸福を妬み、
帰りがけに死んでいく蝉を見て襲うことを決意

雪女と蟹を食う魔が差す

Gino0808「雪女と蟹を食う」1巻21ページ

しかし襲ってみると…。
とんとん拍子に進み、自分から体を差し出してくる始末
さらには談笑の果てに得体のしれない人妻と共に蟹を食べにいくことになってしまうのでした。

感想(ネタバレ含む)

1巻の感想

第一話は非常に文学的な切り口で、蝉をきっかけに不満が爆発し
社会という枠から飛び出すということがとてもうまく表現されていました。
1回くらい鳴いてやろうかはしびれますね。
そこが非常に面白いなと感じて購入をしました。

また、テーマの蟹を食べるですが、
一話では食欲、性欲と人間の三大欲求が描かれており、
死の間際で性欲に食欲が勝りさらにそれが蟹というのは
重大なテーマにおける抜け感となってていいです。

1巻の全体としてはこのペースで行けるのかな~という感じでした。

主人公の男にとっての死とは

主人公はロープを結び準備をしているところで踏みとどまりました。
頻繁に死を口にしますが、最後のところを越えている人ではありませんでした。
本気度が果たしてどのぐらいなんだろう?という感じ。
一話で人妻 雪枝彩女を襲ってしまったことにより
犯罪者となっているのでここで死へのスイッチ(退路を断った)は
入ったはずだったのですが
共に行動するうちにそのスイッチが入ったままで塞がれて行ってしまう。
すでに犯罪者(決意をしたうえでの犯罪)なので死なないといけないのに。死にたくなくなる。
というジレンマを抱えていくことになります。

犯罪者と人妻は
北海道までただ蟹を食いに行く

ここがどう描かれいくのか楽しみですね。
作中で主人公は名前がはっきりしません。
俺であり、犯罪者であり、北さん(偽名)なんですよね。
この辺もなんかありそうな気がしちゃうけど、
読者に自分をイメージさせるためかな。

ヒロイン雪枝彩女(ゆきえだあやめ)

テーマは雪女ですので、雪女に重ねるような描写が時折描かれています。
得体の知れなさが魅力の人物です。

1巻でわかるのは
人妻(旦那さんはモノ書き)
年齢は三十歳を越えている
肌は柔らかく豊満。
裕福な家の妻でありお金はある程度自由にできる。
運転は得意。

ヤンマガとしてもヒロイン年齢が人妻30歳って珍しいですよね。

ペットボトルを差し出す雪女

Gino0808「雪女と蟹を食う」1巻58ページ

作中においては、常に主人公を手玉にとり上回っています
情けないぐらい感情豊かに悶え、震える主人公に比べて
感情はかなり希薄
作中でも言葉の節々から思いとは別の言葉を出せるような、
異邦人的な人物と感じ取れるようになっています。

見えてこないのは同行をした目的。
「私も食べたいです、蟹」
ここで使われた蟹も、同行するためだけであり、
本気で食べたいわけじゃないと思われます。

主人公にとっての蟹は死ぬためのきっかけ、決意のための蟹でした。
彩女にとってはついていくための理由の蟹

彩女の欲望とは

気になるのはついていきたい理由は?

夫婦仲は良好そうです。
急に離れなければならない理由はないはずです。

彩女の欲望とは

Gino0808「雪女と蟹を食う」1巻66ページ

彩女にとっても欲望があり、それを達成するために同行をしている
と考えます。

主人公に襲われた際には、床が痛いからとベッドに誘導をしています。
また、行為の最中は主導権を握る描写もあります。
そして運転は彩女が行い、金銭の管理も彩女が行っています。
当初、主人公に身勝手に巻き込まれた女はすでに
蟹を食べに行くという目的すら乗っ取っています。
うーんヤバイ人だ!

じゃあここまでして操っている理由、欲望は何か。
夫婦仲は良好、旦那も恐らくコントロールしている
また金銭を用いて、他者との交渉も素早く達成。

これはもう仮説ですが、物書きをしているのは
彩女自身でネタ詰まりから
突如迷い込んできたこのイベントを歓迎している。
観光旅行は現地取材…。簡単すぎるかな。

なぜ車で移動をするのか

後々語られるかもしれないのですが、違和感のポイント。
大阪から北海道まで車でいくと1587キロもあり、
凄まじい長旅になります。
本当のプロの人でも1日では難しいでしょうし
卒業旅行とかでしか選択しなそうなルートですね。
色々点々をするかと思えば大阪→北関東まではほぼ一直線でした。
移動距離は8時間ぐらいは運転したのかな。そりゃ肩も凝りますね
前述のとおり、運転は彩女
警察署にでも突入されたらどうするのやら。

そもそもレンタルで外車のまして左ハンドルって気軽にできるんですかね。
かなり特殊な気がするけれども、
普段から左ハンドルの車に乗り慣れていてという描写のためかな。

何故雪女とされるのか

いわゆる雪女のエピソードを軽く読んでみたのですが
そんなに悪い妖怪じゃないように感じました。

またぎを凍らせて殺してしまう、
けれども好きになったり子供のためならば身を引く。
情のある妖怪として描かれることが多いように感じます。

そこだけみるとちょっと彩女の雪女は違和感はあります。
現状はもっと得体の知れないものだと思うのですよね。

まとめ

自殺という重いテーマを扱った一話に比べ、
話を重ねていくごとに主人公が人間味、葛藤をしすぎて
最初の話のイメージとは変わってきたように感じます。

死ぬのは凄く大きな決意なので、
彼は本来はそんなことができないような小市民に過ぎない
ということなのかもしれません。

一方で彩女は一話よりもさらに謎めいています。
思い通りにならないときは爪を噛むなど
もしも、主人公が彩女の思い通りではない決断を下した時
彼女はどうするのか?

懸念は、世界が狭いところかな~。
二人の掛け合いで作られているのと(キャラクターの参入余地が低い)、
北上するにしてもすでに栃木なんですよね。
福島いって、仙台いって、盛岡でおそばたべて…。
フィールドも限られてますよね。
あまり長旅になっても雰囲気が崩れてしまいそうですし、
小さな世界の掛け合いで終わるのが一番魅力的かもしれないです。

現代にありそうでない、
そんな空気感が素敵な作品でした。

蟹女

Gino0808「雪女と蟹を食う」1巻14ページ

当ブログでは蟹女ちゃんの再登場をお待ちしております。

コメント

タイトルとURLをコピーしました