因果応報!因果応報!サタノファニ12巻瞬発力高すぎる

因果応報 マガジン系
山田恵庸「サタノファニ」12巻29ページ

サタノファニ12巻が発売されました。
強烈な個性を持ったヤクザ天童組との対峙をした豪華客船編でしたが
正直なところ僕は心配でした。
この後も、サタノファニはサタノファニらしくいられるのか…
読者は強烈な展開をした作品は次も強烈な展開を望んでしまうのです。
ナイスアス!を超えてきてほしいのです。

ナイスアス

山田恵庸「サタノファニ」10巻102ページ

ただはっきり言えば12巻は良かった。
杞憂だった!!!山田先生は天才だ!!!

表紙はあでやかなメデューサ一覧!
瀬里と真希は不在なので、羽黒残留組のみですね。

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12巻のあらすじ

瀬里&真希の逃走劇

11巻から続く逃走劇です。
水野との決着後、瀬里&真希は女医香澄達を銃で襲い逃走を企てます。
その際に高木を瀬里が射殺。
香澄は「キミは今ただの人殺しになった」と
瀬里を失敗作と断じました。
メデューサ達は瀬里と真希の抹殺を命じられますが、反逆。
逃走に協力をすることに。

まだ幸せになっていいんだ

山田恵庸「サタノファニ」11巻177ページ

ここではメデューサ達は殺人者として機械的に命令に従うのではなく、
少女として友情の感情、助けるべきものを選択しました。
現れた羽黒特別機動隊と非発火状態で激突。
ボロボロになりながら瀬里と真希を逃走させることに成功します。

ここまでが11巻。

優しいパパだった

新たに国籍を取得したネイビスに向かう前に約束の場所に現れたパパと
水族館で穏やかな時間を過ごします。

瀬里真希パパ

山田恵庸「サタノファニ」12巻19ページ

もう嫌な予感ビンビン

今回の瀬里真希の逃走のテーマは
殺人者でも幸せになれるのか

僕たち読者は神の目線を持ち、彼女たちが自分の意思に反して
実験の被験者となり、被害者の側面を持つことを知っています。
しかし彼女たちはフェイスレス事件の加害者であり、殺人者です
他人を不幸にした人が幸せになることができるのか。

しかし因果応報

因果応報

山田恵庸「サタノファニ」12巻29ページ

お別れの時に現れたのは孫の遺影を持った喪服の男性、武本。
瀬里真希のパパはいいます、賠償金ですでにお金が無くなっていること、
武本に瀬里真希を殺させることで肩代わりをしてくれること。

作中にあまり描かれていなかった、被害者の存在です。
彼女たちは多くの人に恨まれている。幸せにはなれない…。

因果応報について辞書を引いてみましょう。

善悪の原因があれば必ずそれに相応する楽苦の結果のあること。
(Weblioより)

瀬里真希はフェイスレス事件を起こし、たくさんの被害者を産んだ悪なのでその結果を押し付けられる。
ということかな。

やりすぎだろ因果応報

瀬里が反撃し、逃げようとします。
すでにネイビスの国籍もありません。パパの支援もありません。
ここを逃げ延びたところで何もないのに。
真希を助けるために必死です。

因果応報サタノファニ

山田恵庸「サタノファニ」12巻37ページ

いやおかしいやろ

こいつら全員遺族なのはいいとして、
サイレンサー付きの銃持って全員喪服で遺影持って集合か???

イエーイ!!!

えええええ…。
そしてセリフは「因果応報」
なんなんだよ…もっとあるだろ!!!

ホラーかよ!!!!!ゾンビより怖いわ!!!!!

武本さんがおそらく銃用意したにしても
やりすぎでしょう!!とんでもないわ!!!

瀬里の願いは届くのか

捕らえられた瀬里は拷問を受けます。
銃で手足の端から打ち抜かれていくという強烈なもの。
自分の犯した罪の深さを知り、真希を救うために願います。
神ではなく自らの悪魔ゲイリー・ルウィンドンに

ストレスからミラーニューロンが発火。
被害者遺族である26名を全員皆殺しにし真希を救います。
しかし負っていた傷は深く瀬里は絶命
真希に、真希の中にいると言い残します。

メデューサ達に神による幸せな救いはないのでしょう。

舞台は真聖教団、野良メデューサへ

甲州九龍城、建て増しに建て増しを重ねて作られた巨大建築物。
羽黒特別機動隊が真聖教団に真希が属しているという情報を元に調査に来ます。
しかし調査員として潜り込んでいた友坂えりはすでに教団の手に落ち、洗脳済み。
羽黒特別機動隊は返り討ちにあってしまうのだった。

感想

メデューサは幸せになっていいのかの結論がでた

今回の瀬里真希に対する、武本さんは私刑です。
彼女たちは逃走中ではありますが、裁判で判決を受けている。
罰を受けている状態です。正しいのは法律に従った罰でしょう。

メデゥーサ発火時の真希は3巻で
「だって面白いのよぅ 銃で頭を撃つと形が変わって」
と言っています。
フェイスレス事件は愉快犯です。

正しくないことをしてでも、武本さんたちは因果応報を
瀬里真希にしらしめたい、それほどまでに恨みを持っていたと。

当人たちが自覚していなくても被害者の怒りは重たいのです。

思い返せば、千歌の場合は友人に騙されて部屋に連れ込まれてしまい
暴行されそうになった時に、そのストレスからミラーニューロンが
発火して過剰防衛をしてしまったという形でした。

しかし、裁判では人殺しとなじられ、家は落書きまみれ。一家離散。
男囚人編の際には千歌が殺したヒロの兄である大谷と対峙しました。
大谷も極度のブラコンっぷりを見せながらも恨みの感情を千歌にぶつけ苦しめました。

兄である道隆は無罪を獲得するために頑張っていますが果たして五菱の悪が証明されたとしても幸せになることができるのか…。

作中においてつい忘れがちになるのですが、メデューサが犯した罪はとてつもなく重いと実感しました。

堂島明パパは悪意があったのか

作中において、姉妹に対して愛を明言しており、
愛しているがその上で死んでほしいというのも本当の感情であったのではないかと思います。

姉妹に連絡を取り、脱出を促し、
さらに1日家族の時間を過ごしたうえで
武本さんに引き継ぐ。

目的は賠償金の肩代わりと作中で語っていますが、
肩代わりしてもらえるならばむしろここから第二の人生だと
死んでしまうのは合理的じゃありません。
そうするとここでの心理は賠償の道筋をつけて
二人にも贖罪をさせ、さらにパパも責任を取ろうとしたのかな。

ただ悪人で生き延びるつもりだったけれども羽黒特別機動隊によって
後始末をされてしまい罪を背負わされてる可能性もあるかもです。
自殺のニュースで初耳かのように香澄がびっくりしているのでないかな。

道隆のブラコンっぷりが

なんですかAI千歌って。

AI千歌

山田恵庸「サタノファニ」12巻89ページ

何がやばいって話しかけているものをAIと認識しているのに席をちゃんと一人分多く取っているところですね。

ドローンを使って情報収集したり、AI千歌作ってみたり、最新のものに対する造形が深すぎる。
その知識をもっと別の方向に…。
こんなんだからシスコン野郎って言われちゃうんだよ!
普通にやってたらめちゃくちゃ優秀な人なのに…。
今回も鑑識に潜り込んで知識披露しまくり。

所長もVR「さんくちゅあり号ヤクザ皆殺しシリーズ」にハマってるあたり最新技術がどんどん入ってきますね。

永遠の魂

五菱の目的が明言されました。
死んだ人格との融合、生きている人の中で生き続けること。
それが永遠の魂に連なると。

しかし何で殺人鬼の魂の写しにしたのか、
発明家とか偉人でもよいじゃないですか。
何でだろう。

 

まとめ

懸念していた失速はなさそうに感じました。
久々にメデューサ側に死亡者が、瀬里を失った真希はどうなるのか。

瀬里は元々主役候補だったのに、脱落でしたね~。
デザイン可愛いので好きでした!残念。

真聖教団、野良メデューサ達との戦い、
文言読むとインド系の宗教なのかな?
新たなる山田恵庸先生ワールドが楽しみです。

<10巻発売時の感想記事です>

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