こんにちは、最近購入したジャンプ漫画
チェンソーマンについてのレビューです。
ファイアパンチで一大ブームを起こした藤本タツキ先生が
週刊少年ジャンプに登場。熱いノリそのままに今度のテーマは
チェーンソー!?
テーマは悪魔とチェーンソー
独特の空気と展開力
私は週刊誌をほとんど読まないので、コミックの感想になります。
この記事はネタバレを含みますのでご注意ください。
チェンソーマンについて
本の詳細
タイトル:チェンソーマン
作者:藤本タツキ先生
(自分の妹という設定でTwitterをされており、ながやまこはるちゃんです。https://twitter.com/nagayama_koharu)
掲載誌:週刊少年ジャンプ
ジャンル:ダークヒーロー漫画
公式サイト:https://www.shonenjump.com/j/rensai/chainsaw.html
あらすじ
父親の借金を背負った主人公の少年デンジ。
借金のかたにすでに目玉も腎臓も、金玉もすでに売却済。
父が自殺し、墓地で借金の返済を迫られたときに
ケガをして弱っているチェンソーの悪魔ポチタに出会います。
自分の血液を渡し、ポチタに対してお互いを助け合う契約を結ぶのでした。
二人はデビルハンターとして悪魔を狩り借金の返済をしていくことに。
デンジの夢は小さな普通の夢です
- 食パンにジャムを塗ること
- 女とイチャイチャしたり、
- 一緒に部屋でゲームをして
抱かれながら眠る
とても小さな夢です。
そんな夢を見ることも難しかったデンジの夢は叶うのか。
感想(ネタバレ含む)
第一話から衝撃の展開
これは藤本タツキ先生の作風かなという気がするのですが、
第一話から衝撃的な展開でした。
あらすじは上記のとおりですが、あまりにも小さな夢を願っていた
デンジはデビルハンター嫌いの悪魔によって殺されてしまいます。

藤本タツキ「チェンソーマン」1巻31ページ
デンジは生前ポチタに体を乗っ取れる悪魔もいるらしいと話しており、
自身が死んだ際には乗っ取ってほしいと話していました。
ポチタはその意向をくみデンジの体を再生。
しかし、ポチタが選択したのは自分の心臓をデンジに渡しデンジの夢を叶えることでした。
泣ける
そしてチェンソーの悪魔と融合したデンジはチェンソーマンに変身

藤本タツキ「チェンソーマン」1巻47ページ
敵を殺戮し、借金もチャラに。
公安のマキマに拾われデビルハンターとして仕事をしていくことになります。
一話目から、
デンジの置かれている恐らくジャンプ史上最悪レベルの環境
ポチタとデンジの友情(チェンソーの悪魔なのにポチタは可愛い)
主人公の死
と詰め込みまくりでした。
藤本タツキ先生のファイアパンチも
一話目からファイアパンチになる展開が非常に過酷でしたのでそれに通じるものを感じました。
再生の祝福者である主人公アグニは氷の魔女により氷で閉ざされ、
食べ物もまともに手に入らない世界で村人に自らの腕を提供していた。
最愛の妹共に慎ましく暮らしていたものの、王都ベヘムドルグの住人
ドマが来訪し、村が人肉を食していることがバレてしまい
ドマの祝福「消えない炎」によりアグニは燃え続けることに。
永遠に燃え続ける痛みと妹の「生きて」という言葉を胸に燃え続ける炎を
再生の祝福でコントロールする力を身に着けたアグニはファイアパンチとして
恨みを晴らしに行くのでした。
デンジの人柄
ファイアパンチのアグニは復讐を動機とし、
痛みに耐えているため思考回路があまりよくないといったキャラでしたが
デンジが目指しているのは普通に生きるという小さな夢を叶えることです。
また、ポチタを宿しているため自暴自棄になることもありません。
頭は良くないキャラクター
という点はこの二人は同じだと思うのですが、
アグニが復讐にとらわれて自問自答、かなり悩み、時に暴走をしていた
ことと比較しても快活に行動していく、デンジは好感を持ちやすいです。
読みやすくなっていると感じました。
ジャンプ漫画っぽくない
作風として、ジャンプらしさは非常に少ないように感じました。
ジャンプは努力、友情、勝利の三本柱を中心にしており、
ラブコメとか主人公の血統が増えてきて努力関係ないとかいろいろありますが、
基本は少年が活躍する漫画です。
デンジは少年~青年ですが、過酷すぎる過去を背負っています。
ジャンプ漫画でも残虐ならばフリーザ(DB)、過去ならば仙水(幽遊白書)といますが、
金玉売却している主人公は初めてです。
あまりにも共感を得づらい過去は子供には人気になりづらいと考えます。
ジャンプはアニメ化、メディア展開による収益も狙える雑誌ですので
大衆受けする物を多く掲載すると考えているので驚きました。
また、血まみれの描写が多く、今のジャンプの流れとは逆行してそうに感じました。
(割と残虐描写が多い冨樫先生も黒塗り対応等していました)。
出版不況と言われるように週刊誌の売り上げは落ち続けています。
ジャンプも1997年時は600万部程度発行部数があったものの、
今は200万部ちょっとと3分の1程度になりました。
(※単行本の売り上げは増加しているとされています)
当時と比較して、テレビゲームやスマートホンといった娯楽が多様化していることも
ありますが、一因としては日本は少子化という問題もあるでしょう。
こういったことを考えると
努力、友情、勝利の少年層だけをターゲットにせず
青年も取り込めないか?という試験的な取り組みとして
掲載されているのではないかという気がします。
打ち切られないか心配
週刊少年ジャンプと言えば、そう打ち切りサバイバルレースです。
人気のない作品はアンケート結果を基に10週で打ち切られます。
そのため、突如打ち切られてしまい、思うようなエンドまで描ききれない
作家さんが多くいらっしゃいます。
俺たちの冒険はこれからだ!
銀魂みたいに延々、延長戦をできたり
web送りや他の月刊誌へ移してもらったりも
増えてきてはいるものの、アンケートを取るための展開も要求されます。
ファイアパンチはジャンプ+(web連載)だったので
ある程度自由が効いていたと思うのですよね。
この辺のバランスがどうなるか心配です。
まとめ
ファイアパンチは終了時にこうじゃねえんだよと思った方も結構いると思います。
途中がしんどくなった人もいると思います。
こういった点はデンジはなさそうな気がします。
読者がすぐ想像できる小さな夢を目指すキャラクターは前作にもおり、
人間の中身を高尚な言葉に置き換えるのではなく、
欲のためにキャラを動かし結果を出させようとするのは藤本先生の味なのかな。
自分はこの点が好きです。
ファイアパンチで脱落した人も再度乗っかってみて大丈夫だと思います。
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