こんにちは、漫画ストップ!ひばりくん(江口寿史先生)の
ひばり君は果たして耕作のことを好きだったのか、考えていきます。
先日どうにも腑に落ちなかったので描写から読み取っていこうと思います。
・ラブコメだったのかギャグ漫画だったのか
・ひばりくんの無敵性。
作中において明確な恋愛描写はない
本作において耕作とひばりくんは恋愛をしているという描写ないのかなと思います。
耕作自身は好意の対象を「女性」と度々口にしており、
一方でかわいいひばり君を見て困惑するというのがこの作品の面白いところでした。
Wikipediaを見るところ、
当初はオカマキャラを前面に出したギャグ漫画として考えていたが、ひばりくんを可愛く描けば描く程ギャグとなる事に気付き[5]、出来る限りの可愛さでひばりくんを描くようになる[7]。こうした「オカマの面白さ」を扱った作品として、後に「BREAK DOWN」[8] 等を描いている。
恋愛というよりギャグ漫画であると考えて読むのが本来の正しい読み方ではないかと思います。
恋愛面を分析する
それでも気になるので恋愛面を分析していきましょう。
初期、耕作の失恋、キスまでの段階を分析します。
最初は恋愛描写はなかった
恋愛漫画ではよく「一緒に東大にいこう」とか
「約束のペンダント」とかわかりやすい約束、想い出、きっかけが
恋愛描写として描かれます。
ひばり君自身は、「何故女装をしているのか」とか「誰が好きか」とか
確信に迫る部分は語られることはありませんでした。

江口寿史「ストップ!!ひばりくん!コンプリートエディション」1巻47ページ
耕作くんが好きだから
なんてセリフができますが直後に「じょーだん」とも言っており、
当初は同じ学校に通うことになった同級生の男の子が面白かったからからかっている。
といった「いじる関係」だったのかなと推察します。
嫉妬と恋愛感情、どの区分けはどこからか
一方で1巻リングにかける恋では
ボクシングを始めた耕作と一緒に帰れないことを悲しんでいます。
(そしてマネージャーになってしまう)
彼にとって耕作はそのぐらい大事であるということです。
このきっかけがどこかという描写がないのでよくわかりません。
また、マネージャーの河合に好意を持ちだした耕作を見て
「嫉妬」を見せます。
これを「物を取られる嫉妬」と「恋愛感情の嫉妬」
どちらと読み取るかですね。

江口寿史「ストップ!!ひばりくん!コンプリートエディション」1巻189ページ
河合の想い人が耕作ではないと知ったときのひばり君の顔です。
この嬉しそうな顔である。
これはどっちだ~。物を取られる安心する顔じゃない気がしますよ~。
1巻「はいりません!!の巻」ではごまかすためとはいえ、ついに腕を組み。
「ハァト・ブレイク・Valentineの巻」では失恋した耕作を慰めるために
下着姿でチョコをプレゼントして抱きつきます。
耕作側の方はあまり受け入れていませんが…。
耕作側の態度が変わってきたのは2巻から
描写の変化があるのは
2巻「Jの告白の巻」から

江口寿史「ストップ!!ひばりくん!コンプリートエディション」2巻74ページ
ひばり君の匂いにドキドキし、ラブレターを貰ったひばり君を心配する耕作が描かれました。
今までは男として敬遠していたのに、
心配をするというのは何か心境の変化があったと思われます。
このお話ではバレーボールの襲来からひばり君を守る耕作も描かれており、
ひばり君がギャグ漫画の相棒から「ヒロイン」として昇格したと言えそう。
耕作の河合への失恋というので明確化されたのかな。
ちなみに、この話のオチはひばり君が本気で好きになっちゃうぞ~と笑顔で追いかける話。
ここまでは「好きではなかった」けれども関係の変化の兆しは出ているように感じます。
2巻「ついにやったネ!初デート!の巻」では
どちらが彼女を作るか競争をしていた板垣が上京。
初デート、を果たしました。
耕作はひばり君を見つめてキスをしそうになります。
恋愛を嫉妬が混じるように
3巻イケメンである本田が登場。
ひばり君はパンチ一撃で、僕が好きなのは耕作だとみんなの前で宣言します。
ここまでくると耕作は汗の描写こそありますが、
嫌悪感を示す鳥肌の描写はなくなります。
クリスマスパーティーでは、椎名と踊るひばり君に嫉妬も見せます。
この辺ではもうヒロインに昇格してるんですよね~。

江口寿史「ストップ!!ひばりくん!コンプリートエディション」3巻206ページ
二人きりになって速攻キスしているのですが、
あっさり消化しており心理がわかりづらいです。
ただ、この後も耕作は河合に再び感情を向けており、
耕作は恋愛ではないのかなとも感じました。
恋愛感情はあったのか
最後はひばり君の性格から考えてみるのがいいかなと思います。
彼は彼の道を行く人、欲しいものは手に入れる強い人です。
アイスクリームを貰って付き合えよといわれても明確に拒絶し、
本田に対してもふざけるなとパンチをして拒絶しています。
耕作をどこで好きになったのか。という描写はありませんが、
自分からキスをし、文化祭の舞台では脚本にもキスをいれています。
本田やアイスをくれた人は拒絶の対象ですが、
耕作はキスをしていい、したい相手ではないかと考えます。
もう一つは1980年代のキスの重さです。
当時はお友達から始めましょうなんて交際のスタイルも一般的であり、
キスは一つのゴールだったんじゃないかと思います。
キスをすることは耕作への好意であると言えるんじゃないかな。
話はここで終わったけれども
この作品は、このあとすぐに打ち切りとなります。
彼らがどうなったかは不明です。
しかしひばり君は「全ての願いが叶う無敵の主人公の属性」
を持っているのではないかと思います。
ひばり君が敗北する未来はないと思うのです。
つまり、耕作はどこへ逃げても勝ち目はないんじゃ…。
地球は丸いから…。
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