天国大魔境一位受賞、「このマンガがすごい」は本当にすごいのか?

このマンガが凄いアイキャッチ モーニング系

こんにちは、すでに昨年ぐらいの情報で恐縮なのですが、
天国大魔境の1巻発売時に宝島社の主催するランキング
このマンガがすごい!2019年度一位を獲得されました。

2巻まで読んだ感想として、
凄い?凄いのか?と思っています!
つまらないとは全く思ってないです。
面白いですし、石黒先生は大好きです。
それ町も持ってるし、フルットも持っています。
短編も全部持っていますし、ソレミテそれでも霊が見てみたいとか
ちょいマニアックな物まで持っています。
とても応援している作家さんです。

ただ、一番の持ち味って伏線の回収力というか読後感の良さじゃないかと
私個人は思っています。綿密に練られたシナリオがとても好きです。
そうすると1巻の段階で表彰するのは果たして…どうなんだ?と思った次第です。

 

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このマンガがすごいについて

賞の内容

タイトル:このマンガがすごい!

出版社:宝島社

頻度:年に1度

初回:2006年(初期版は1996年にすでにあったそうです)

方式:識者(編集者や評論家、書店員、声優、アイドル等)
+小中学生、漫画系専門学校生によるアンケート
ポイントの比率は識者が大きいようです。

オトコ編、オンナ編と漫画を性別にあわせてわけて賞にしていますので
毎年20個ランクインすることになります。

 

過去の作品

2006年PLUTO、2007年デトロイトメタルシティ、2008年ハチワンダイバー
2009年聖☆おにいさん、2010年バクマン。、2011年進撃の巨人
2012年ブラックジャック誕生秘話、2013年テラフォーマーズ
2014年暗殺教室、2015年聲の形、2016年ダンジョン飯
2017年中間管理職トネガワ、2018年約束のネバーランド
2019年天国大魔境

(※オトコ版のみ抽出)

そうそうたるメンバーですね。
受賞すれば映像作品化、大ヒットが確定しているのではといった賞です。

このマンガがすごい!の問題点

アンケート方式のため「すごい」の定義があいまい

私も初めて知ったのですが、
アンケートでランキングを作っているということは人気投票です。
何をもって凄いとするか?は非常にあいまいであると考えます。
上記でオトコ編だけをピックアップしたのですが
(理由はオンナ編の漫画は私が読んだことがないものがあったためです)
ギャグ漫画から、ストーリー、シリアスとジャンルもバラバラです。
何をもってすごいと判断したのか?はよくわかりませんでした。
(ランキング掲載時は書評がされます)

話の筋が決まっていないままにランクインする

お話の序盤にランクインすることが多いように見受けられます。
私の肌感覚なのですが大体流行りそうな段階、流行り始めた作品を表彰している
ような気がします。
これは前述のスゴイの定義が曖昧であり、アンケートという手法をとっているので
その時に流行っている物がランクインしやすいのではないかと思われます。

ただこういった序盤の風呂敷というのはだいたい畳まれない物です…

 

天国大魔境はふさわしくなかったのか?

これについては、全くそうは思いません。
正しくは「ふさわしいかもよくわからない」です。
謎の未来設備の空間(天国?)で暮らす能力を持った子供たち。
そして廃墟となった日本と思われる土地で天国を目指すマルとキルコ。
道中に出会う謎の敵人食いヒルコ達。
名作の予感がしますしワクワクします!

天国大魔境1巻

石黒正数「天国大魔境」1巻184ページ

キルコの過去であったり、徐々に変化していく天国の子供たち、そして施設の謎
と段々と解かれていく様はとても面白いです!
セリフの節々から過去が語られずして明かされていくのは、石黒先生の漫画の
魅力の一つというか読み解く楽しさがあります。

ですが、カタルシスみたいなのは受けていません
ゆっくりとした明かされ方なので現在はかなり平坦じゃないかと思います。
視界が急変するような展開は2巻の今のところはないと感じました。

 

石黒先生の代表作の一つである外天楼という作品はとてもよかったです。
第一話では「エロ本」のリサイクルがどうされているか
与えられた情報を基に子供たちが真剣に考えます。
いわば推理物。
一話で完結しているのですが、第二話ではその子供たちが大人になって…。
と続いていきます。
段々世界観に違和感を感じていき。最後は怒涛の展開
ネタ晴らしにネタ晴らしを重ねてああ!そうだったのか!と
感嘆が止まりませんでした。
すべてが1冊の中で繋がってくる傑作漫画です。

で、こうした実績があるからこそ期待が高まるのも当然なのですが
どのタイミングでどう明かしていくのか…とか漫画にはペースがあります。
とすると1巻の段階で
そんな早々と期待というハードルをぶつけて賞を渡すというのは
どうなのだろう?と思う次第です。

 

まとめ

少し批判的になってしまったかもしれませんが、
とても期待している漫画なので、私はこれからも読み続けます。

漫画は
スタートダッシュで起きるインパクト
期待を高める話の広げ方
そして最後に綺麗に終わる方法

の3点が印象に残りやすいんじゃないかと考えています。
個人的には一番難しい終わり方を重視してほしいかなと。
ちゃんと終わらない漫画は読み続ける読者としてはいつも寂しいんです。

終わり方が秀逸だった彼方のアストラは2019年のこのマンガがすごい!は3位に入賞
商売的に見ると終わってしまってからの受賞だと本の売れ行きがあまりよくない
のではないかと思われます。
そのため出来ることならば先行して賞にしたいとかの都合もあるんじゃないかな~。

賞については佐藤秀峰先生の描くえもんに色々なことが書いてあり
とても興味深いです。
特定の賞についていうわけではないですが、
賞はビジネスとしての側面はあり、だからこそたくさんの賞が作られるわけですね。
本の賞多すぎでしょ

コメント

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