ビースターズの意味が判明、獣たちの社会漫画レゴシはどう生きるのか

ビースターズヤフヤ チャンピオン系
板垣巴留「ビースターズ」13巻97ページ

こんにちは、チャンピオンで連載されているビースターズについてです。
当初は獣たちの色物漫画では?といった形で見られていた方も
多くいるとおもうのですが、社会派ドラマ、ヒューマンドラマ的で
とても面白いです。
肉食動物と草食動物が同じ世界で暮らす葛藤を
チェリートン学園を舞台に描き、主人公ハイイロオオカミのレゴシは
とうとう学園を飛び出し社会の片隅で生きることに。

そんなビースターズのネタバレ感想記事です。

ポイント
チェリートン学園の食殺事件が解決
ビースターズの意味が判明
草食と肉食の壁を越えたレゴシが社会に挑む
新たに海洋生物も出現
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食殺犯との大晦日の決闘

リズの考える友情

ビースターズでは肉食動物と草食動物の共存
常に食殺事件の問題があります。
(肉食動物が草食動物を自分の欲求に負け食べてしまう)。

1巻から続いたアルパカのテムの食殺事件
9巻でシロクマのリズが犯人だと判明。
普段は優しい熊さんなのに、凶暴な熊の本能をのぞかせます。

ビースターズリズ

板垣巴留「ビースターズ」11巻24ページ

レゴシに対しても牙と腕力での語らいを求めるあたり、
リズにとっての友情は肉食動物の力(パワー)で初めて通じるもの
本気のぶつかり合いなのかと思いました。
普段「力抑制剤」を飲まなければならないクマ科にとっては
己を出し切るチャンスが限られてしまい暴発した友情を求めた行動が
捕食に繋がってしまったのかなと。

レゴシの戦い

リズは苦悩しながらも、自分にとって一方的で都合の良い方向に
変換をしながら、生きています(そうでないと耐えられない)。そんなリズに対しレゴシは、武力で制圧をすることに。
相変わらずのバカオオカミ
リズはリズでレゴシの本気を引き出すために
ドールビッグホーンのピナ(イケメン劇団員)を食べたと挑発します。

この辺が悩ましいです。
本来であれば、警察という組織にリズは拘束され正しい罰や指導を受け
更生なりをしていくはずです。
それをせず、自分で戦う、罰することことを選ぶレゴシ
そして、レゴシがそうしないと信頼し、かつ本気を引き出すために
わざわざ人質まで取ることにしたリズ

合理的じゃない、感情とか熱量のぶつけ合いをもとめる。
これが青春なのかもしれません

パンダのゴウヒンの下での修行、生きたままの昆虫を食べる(命を食べる)
をして肉食の獣としてパワーアップしたレゴシでしたがリズの圧倒的な
怪力の前に苦戦を強いられます

立ち直るアカシカのルイ

シシ組のボスとなっていたルイ

一方、チェリートン学園を去り、
裏社会シシ組のボスとなっていたルイはレゴシを助けるために
シシ組を辞めることに。

ビースターズ、ルイ

板垣巴留「ビースターズ」11巻90ページ

これもめちゃくちゃ熱いシーン。
ルイもルイで、あえて裏社会、食肉文化のある世界で
肉食動物のライオン(シシ組)に溶け込み
真正面からその世界に挑んでいました。

そして、ライオン達の信頼を勝ち取りシカがボスになる
これが次期ビースターと目されていたカリスマ性と能力です。
そのシシ組の信頼と友情を天秤にかけどちらも選べないといいながら
ライオンのイブキに大人として守られて子供としてもう一度表世界に戻る
想像でしかありませんが、イブキからするとシシ組にとってはルイがいる方がいいけれどもビースターズの世界、未来にとってはルイが表の世界に
いる方がよくなる、ルイはここにいてはいけない表で活躍する奴だと
思っていたんじゃないかな。

決闘の日シカとオオカミの友情

苦戦するレゴシですが、駆け付けたルイと話をします。
自身の弱さを自覚したルイと、そばにいることを選択したレゴシ。
勝つために何が必要か。

ルイ、レゴシに足を差し出す

板垣巴留「ビースターズ」11巻144ページ

生餌として刻まれた4番。
自分の呪いをレゴシに食べるように促します。
肉食動物からの一方的な食殺ではなく、友情のために、
リズを倒すために草食動物から同意の上で捕食を促すのです。

テムを一方的に食べて友情としたリズ
ルイと同意し自分の志(食殺)をしないを曲げて食べたレゴシの友情

どちらが勝つかは明白でした。
力を手にしたレゴシは再び戦場に戻り
片足となったルイの応援を受けて戦います。
リズは敗北を認め、警察の介入で勝負ありとなりました。

チェリートン学園を舞台にした食殺事件は、
捕食をしたレゴシによって解決をしたのでした。

社会に出ることになったレゴシ

食殺事件を起こしたレゴシはチェリートン学園を退学
舞台はコーポ伏獣に。
学園という狭い世界で草食動物と接してきたレゴシが
建前としてはお互いに平等に平和に暮らしている
肉食と草食の世界に飛び出したことになります。
ただ、草食動物を愛する肉食動物という異色の存在
草食の味も知って、恋もしって
なおも助けたいと思う強いハイイロオオカミは
どうやって世界を変えていくのか?
学園から、いい感じに世界が広がりました。

異なる死生観をもつ海洋生物

13巻では海洋生物達も出現。
元々作中では動物ではない生き物として昆虫だけは明記されていました。
レゴシは昆虫を友達、生き物として好意を持っていましたが
肉食にとってのタンパク質として食用されることがあるような物でした。

そこで出てきたのが海洋生物。
なんとなく魚はいない世界なのかと思っていました
(いたら肉食も魚を食べることができる)
魚も人格を持ち、社会の一員として過ごしているという
設定だったようです。
言語は通じず、倫理観も生きて死んでお互いに食べあうといった
実際の動物の世界に近い考え方

そして、陸上と海のハーフである、
ゴマフアザラシのサグワンが登場。
エセ外国人っぽい言語で、海洋のことをレゴシに教えてくれます。

レゴシは肉食、草食、昆虫、海洋生物とそれぞれの世界、壁を
超越した存在として成長していくのかなという気がします。

壮獣ビースターヤフヤ登場

ビースターズヤフヤ

板垣巴留「ビースターズ」13巻97ページ

壮獣ビースターのヤフヤが登場。
圧倒的な戦闘力で平和をもたらすヒーロー。
ウマらしく、視野は広く350度、
残り10度の平和をもたらす力が足りないと苦悩しています。
(あと10度あれば、360度、完全になる)

ビースターのシステムは

集結評議会

板垣巴留「ビースターズ」7巻12ページ

7巻で説明をされており、
各学園から選出されたビースターは青獣ビースターとなり
特訓をしさらに能力を向上させ
その中から一人が壮獣ビースターとなるシステム。
学園のトップのビースターのさらに上が壮獣ビースター。
それが、ヤフヤである

ヤフヤとゴーシャの関係

ポイントゴーシャはレゴシの祖父
コモドオオトカゲでかつては戦場を巡っていた
二人でビースターズに

板垣巴留「ビースターズ」13巻102ページ

かつてゴーシャとヤフヤは二人でビースターズを目指していた存在でした。
草食動物のウマであるヤフヤと肉食動物のコモドオオトカゲのゴーシャ。
ウマの350度の視界の10度をゴーシャが埋めていた。
背中を預けられる相棒であったと。

ヤフヤは51歳になった今でも未だにゴーシャに執着しており、
ゴーシャの孫である、レゴシにも興味を持っているといった状態。
(36年間執着していることになるので、超執着)

ビースターズの意味を改めて考えてみる

私は、元々ビースターズの意味を「獣たち」ぐらいに捉えていました。
作中に様々な動物たちが出てくるので、アーそういう意味かな~ぐらいに。
ですが言葉通り、ビースター(位)の複数系でビースターズで
あったようです。あまり考えていなかったのでびっくりしました。

ゴーシャはハイイロオオカミと異種属恋愛に陥り、
子供ができたためヤフヤとの約束を放棄、家族をとりました
(一方でヤフヤは家庭を持っていない)
当時は異種属婚すらできない時代だったため、非常に苦労した
と思われます。
(それぐらいの決断をしなければいけなかった)。

作中においてビースターを明言していたのは
ルイ(ビースターの筆頭)
ジュノ(ビースターを取りますと宣言している)

の二人、
食殺事件の解決者にビースターの称号をといった話もありましたが、
レゴシは退学してしまい、
食殺で解決したことはオープンにできないため対象外に。
また、ルイもそうした事情ではビースターは受けられないと
辞退しました。
ジュノはチェリートン学園に残っていますので、
そのうちビースターをとって再登場しそうな気がします。

タイトルがビースターズとなっている以上
やはりビースター二人の世界が実現すると思うのですが、
ルイはチェリートン学園を卒業し次はガルドナ大学へ
大学で取得できるのか…?

ビースターの趣旨とは

一巻で明言されていて、差別や恐怖を超越する英雄的な地位だそうです。
学校においては会長、リーダーのような立場だと思われますが
卒業後は地位を受け、修行し自分を高め荘獣ビースターとして世界を
ひっぱっていくような存在になると。

ルイについては、大学生です。
レゴシはフリーターとなりました。
彼らは学園から選出される青獣ビースターになる権利は無い
考えるのが自然な気がします。

7巻のチェリートン学園の学園長のゴンは
ヒーローは生まれるものである
と自説を講演しています。

ビースターの趣旨は英雄的な地位、
差別についても異種属の問題を解決していくというのは
すでにこの二人は得ているような気がします。

とすると、彼らは青獣ビースターに負けないような実績を残していき
学園からの選抜ではなくビースター、ビースターズになるのかなと。
ルイは自力で成果を残していけるとして、
控えめなレゴシが成果を残すのはちょっと大変そう。

ヤフヤの執着

そこでヤフヤの存在です。
ヤフヤはいまだに強く、まだまだ現役です。
執着心を向けられたレゴシはヤフヤの下で残り10度を埋めるための
訓練を受けたり接点を持つことになりそう。
そうすると、自然とビースター相応になっていったり…。
異種属恋愛を否定するヤフヤと異種属恋愛を肯定するレゴシの
摩擦は大きそうですね…。

しかし、ヤフヤとレゴシでビースターズを組むのは
ヤフヤにとってはよくても(ゴーシャの再臨だから)
読者にとっては良くないでしょう。
やっぱりルイと組まないと

とするとヤフヤはリタイアさせないといけないのでは?と考えています。
サラブレッドといえば「骨折」が致命傷になりますが、
タンクを足で蹴れる奴が今更骨折になるわけないかな…。

まとめ

ついに社会に飛び出していったレゴシのエゴ
どう学び、どう活躍するのか。
学園の次の舞台が社会であるというのは
非常にいい第二部になったと思いました。
平和な肉食と草食の共存をしている世界においても「肉を食べたい」
欲望は身近にあり、コントロールしきれていない現状が描かれています。
本能だからしょうがないじゃん!
という中で草食動物を愛するレゴシは何をしていくのか。
楽しみです。

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